この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女性のための犯され短編集
第15章 最終電車で犯される

「……寝てるっぽいね」
「……うん、マジで気づいてない」
声はすぐ近くから聞こえる。彼女の座るボックス席の斜め前あたりだろうか。電車内の静寂を切り裂くように、二人の会話が続く。
カサッ
何かが擦れる音がした。彼女の意識が少しずつ鮮明になる。夢じゃない。確かに誰かが近くにいる。だが、起き上がるほどの危機感はまだ湧いてこない。
終電に乗る酔っ払いや変な人に慣れている彼女にとって、こんな時間に騒ぐ声くらい、どうということもない……はずだった。
「……触ってみようぜ」
「……え、ほんとに?やばくない?」
「大丈夫だって。こんな時間、誰も見てねえよ」
その言葉に、彼女の背筋がピクリと反応した。眠りの霧が一気に晴れそうになる。触る?何を?誰を?まさか……。
だが、彼女はまだ目を閉じたままだった。
起きていると気づかれたら面倒だ。悪ふざけで絡んでくるパターンかもしれない。そういう時は寝たふりが一番だ、と自分に言い聞かせる。
....スッ
しかし次の瞬間、彼女の太ももに冷たい感触が走った。
「……!」
指だ。
誰かの指が、スカートの裾を少し持ち上げ、太ももの内側に触れている。
ひんやりとした手。震えているような……不慣れな動き。彼女の心臓がドクンと跳ねた。
(何!?何!?)
頭の中で警鐘が鳴り響く。だが、身体は硬直したまま動かない。恐怖と混乱が混ざり合い、思考がぐちゃぐちゃになる。起き上がって叫べばいい。逃げればいい。でも、もし相手が刃物でも持っていたら?この終電に助けてくれる人がいる保証はない。
「……柔らかい……」
声は二人。まだ大人とは言えない、ひっくり返りそうな声。中学生くらいだろうか。
彼女の太ももを撫でる手が、もう一人の手と入れ替わる。二人とも、恐る恐るといった様子で触れている。

