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女性のための犯され短編集
第4章 占い師に犯される

「あの…本当に、水晶とか、そういう道具を使わないのですね」

 真正面から見つめられた彼女は、思わず目をそらして尋ねていた。

「何故?そんな物を使っても、貴女の内側は見れませんよ」

「……っ」

「そんな小細工をしなくとも…貴女をじっくりと観察すれば、その弱点も丸わかりだ」

「な……何を言って……?」

「僕を見てください」

「……!」


 小さなテーブルだから、向かい合って座る二人の距離は近かった。

 テーブルの上で手を組んだ男が、すくい上げるような角度で彼女の顔を凝視する──。

 恐る恐る目を合わせた彼女は、彼から目を離せなくなった。


「怖がらないで……まずは、落ち着いて。紅茶を飲んで」


「……は、い」


 震えそうになる指でコップを持ち、そこに注がれた液体を…ゆっくりと喉に流し込む。


「貴女はこの店に何を求めて来たのですか?」


 優しい声で問われた。


「わたし は……ただの、気晴らしに」


「──…本当は?」


 ポロッ....


 彼女の両目から涙が零れた


 聞き返してくる彼の声が…優しすぎるからだろうか


「確かに占いとは娯楽です。人生の中のひとつの刺激を求めて…通われるお客さまもたくさんいます。ただ、貴女は違うのではないですか?」

「どうして」

「僕にはわかるからですよ」

「どうして…?」

「……クスッ」


 彼の手が伸びて、頬の涙をぬぐう。



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