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女性のための犯され短編集
第4章 占い師に犯される


「貴女が欲しいものを、当てましょうか」

「…っ…そんな、欲しいだなんて。わたしは、ただ」

「……」

「……なんにでもいいから、すがりたくて」

「……。いい子ですね。お客さま」


 そのまま顎をすくわれて、身を乗り出した占い師の男に、彼女は唇を塞がれていた。 



 そんな突拍子もないことをされているのに、彼女は抵抗しない。──いや、抵抗できなかった。

「……!?」

 混乱したまま彼の舌を口内に受け入れる。

(どうしてキスを……!?)

 可笑しいとわかっているのに身体が動こうとしない。

 ドクドクと動悸(ドウキ)ばかりが激しくなる──。まるでこの男に、心臓を人質に握られているかのようだった。

「ぁ‥…ぁ…ふ」

「……フフ」

 息継ぎに合わせて、何度も舌を差し込まれる。

 男はじっくりと丁寧に彼女の口内を支配していた。

 舌で歯列をなぞり、戸惑っている彼女の舌を巻き込んで絡ませる。

「…………ハ」

 吐息と合わせて男は笑みを零した。


「戸惑ってる顔……いいですね?」

「‥ハァ……ハァ‥…なん で‥‥?……まさか、紅茶に…‥毒が」

「そんなことはしませんよ」

 愉しそうに笑う彼の表情が、少し幼くなって、怖い。

 そして男は、彼女の首筋に顔を埋めて、当然のようにブラウスのボタンをはずし始めた。

「…ぃ…いや、やめて…!」

 なんとか言葉だけでも抵抗しようとしている。

 けれど首筋を舌がザラりと舐め上げるせいで、その声もゾクゾクと震えてしまった。

「け……警察を呼びます……っ……こんなの、犯罪」

「大きな声も出せないのにどうやって?無駄でしょうね」

「‥ゃッ…あ、あ‥!」

 首筋の線を、舌先がツーっとつたい下りる。

 彼女が顎を仰け反らし声を漏らすと、その反った首を舐めあげて再び唇を奪った。

「ん‥‥ふ」

 そうしている間にもボタンをはずされブラウスを脱がされ、素肌を直接触られる。

「んふぅ‥…ッ、ん、ぁぁ」

 背中や脇腹…胸の下を這うように撫でられて、ビクンと身体が反応してしまった。


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