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女性のための犯され短編集
第1章 ストーカーに犯される
男の家は交番近くのマンションだった。
「散らかっていてすみません。女性を招く予定はなかったので」
別に散らかっていない綺麗なワンルーム。彼は恥ずかしそうに、キッチンに残っていた朝の洗い物を片付ける。
シャワーを浴びるかと勧めると、先にお巡りさんからどうぞと彼女がいったので、男は着替えを持って脱衣所に行った。
「テレビをつけていいので、くつろいで下さいね」
そう言ってもらえたものの、友人でもない男の家に押しかけている彼女に、くつろぐ余裕はない。
テレビの前に行儀よく座って、横に荷物を置いた。
(怖いからってお巡りさんの家に泊めてもらうなんて、普通じゃありえないよね)
お風呂からシャワーの水音が聞こえる。
ぎこちなく座っている彼女はその音でよけいに緊張した。
事情が事情だし、そんな雰囲気にはならない筈だけど…。怖さがひいて少し冷静になれば、違う理由で落ちつかなかった。
普段から交番前で顔を合わせて、「ちょっといいな」と思っていたのは内緒の話…。その男性の家にいるという事実に、ドキドキしてしまう。
(こんな事になって…迷惑かけてるのに、なに考えてるんだろうわたし。馬鹿みたい)
ぶんぶんと首をふって、平静をよそおう感じで彼の部屋を観察した。
少ない家具。ベッドと反対側にある本棚には、有名な作家の小説が並んでいた。
(読書が好きなのかな)
……
(あれ……?)