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女性のための犯され短編集
第6章 可愛かった弟に犯される

 翌朝、両親は祖母のいる他県の実家へ出かけて行った。

 見送りをして戻ったリビングは、シン…と静かで、外のセミの声がやけにはっきりと聞こえた。

(部屋にいるんだよね…?)

 弟の部屋のドアを見る。物音はない。

 連休なのに出掛ける用事はないんだろうかと、自分そっちのけで考えていた。

(友達とか……その、彼女とか?そういう相手と出かければいいのに)

 リビングのソファに座ってテレビを見て、スマホをいじって、時間が経つ。

 コチコチコチ

 時計の針が進んで昼食の時間になった時、彼女は重たい腰をあげて弟の部屋のドアを叩いた。

「ねー、起きてるー?」

「……」

「ご飯は食べる?カレーか炒飯しか作れないけど、作ろうか?」

「……いらない」

「……あそ」

 いつもの冷めた声が返ってくる。予想の範疇だから傷つかない。

「じゃあお姉ちゃん出かけてくるね。帰りは遅くなりそうだから、ご飯は買って食べといてね」

 もともと用事はなかった彼女だが、なんだか気まづいので外に出ることにした。散歩がてらカフェに行ったり映画を見て、時間はつぶせるだろう。


「──待って」


 ところがドアに背を向けた時、部屋の中から呼び止められた。


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