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女性のための犯され短編集
第7章 巫女は鬼に犯される

「お前ほど強い霊力の人間は初めてだ。面白い。長く生きてみるものだなぁ?」

「‥‥カハッ‥‥ぁ‥!‥‥ぁ゛‥‥!」

「いつもの様にさっさと殺しておこうと思ったが……やめだ。お前は俺のモノにする…──」

「‥‥ぁ‥‥ナニ‥‥ッ‥‥を‥‥‥!?」

 首を絞められ息ができない彼女の手から、壊れた錫杖がこぼれ落ちた。

 目の前の金色の目が歓喜で眩く光るのが、恐ろしい。だが逃げられず、少しずつ身体に力が入らなくなる…。

(気を失ったら……駄目……っ)

 閉じてしまいそうな瞼を懸命に持ち上げ、相手を睨んでいた巫女だったが

「‥ッ‥‥んん」

 ふいに首を締める力がゆるんだかと思うと、彼女は鬼に口付けられていた。

「‥ん?…ッ…ふ」

 ヌルッ....

 肉厚な舌が侵入してくる。

 先程まで首を絞められて酸欠だったせいで、上手く抵抗できない。

 鬼は彼女の腰と頭を抱き寄せ、だらしなく開いた彼女の口に強引に舌をねじ込んだ。

「‥んっ‥んふぅ…‥!」

 上を向いて直角に曲がった喉から、くぐもった声が漏れる。鬼の胸を押し返そうとしたがビクともせず、わけもわからぬまま口腔を犯された。

 上顎を舐められ、逃げようとする舌を絡め取られて吸われる。ゾクッ…と震えた腰を、鬼の手に撫でられる。

「‥ぁふ‥…はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥っ、はぁ‥‥!」

(いやだっ…やめて、離して…!)

 焦れば焦るほど裏目に出て、呼吸ができなくなる。角度を変えて何度も差し込まれる舌の感触は隠微で…チュクチュクという水音もいやらしい。

「ふっ、お前……」

「‥っ‥はぁ……ぁ、ぁっ‥…はぁ‥‥!」

「…っ…そそる…顔だな」

「‥‥っ」

 口付けのあわいで、熱い吐息とともに鬼が囁く。

 巫女は…自分がどれだけ男を誘う顔になっているかも知らずに、健気に息を吸っている。

 鬼の男は満足そうに笑みを浮かべた。

「いいだろう……奥の間で丁寧に愛でてやろうぞ」

 ハァハァと苦しげな彼女を抱き上げ、鬼は屋敷の中へ戻った。

 ──バタンと戸がひとりでに閉まる。

 光のない暗闇を進み目的の部屋に到着すると、またひとりでに四方のロウソクに火が灯った。


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