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女性のための犯され短編集
第8章 幽霊アパートで犯される
驚きながらも受け止めてくれた彼は、パニック状態の彼女を見てとても心配してくれる。
「…っ、えっと、大丈夫か?すごい取り乱してるな、どうしたん?」
「ハァッ…ハァッ…!…お兄さんは、なんで……!?」
「ああ俺?だってドタバタ音がすごいじゃん、君の部屋から。何があったんか心配なっていちおうな」
「音……」
「ゴキでも出たんかって思ってな」
彼女はたった今まで眠っていたのだから、騒音などなかった筈。
ハアハアと余裕なく男の胸にしがみつく彼女は、冷静になろうにもどうしようもなくて…声を出して泣き始めた。
「うううっ……あああ~!!」
「えっ、ちょっ、ホントに大丈夫か??」
事情を知らない男がたじろぎ、慌てて話しかけても、彼女は泣き止まない。
怖かったのと、安心したのとでごちゃ混ぜだった。
「…うう…部屋にっ…変なのがいるんです……!
何も見えないけど!ナニカっ…いるんです」
「へ、変なの?」
「動けなくて…!怖くて…!…死んじゃうって…思って…!」
「……!」
頭がおかしいと思われても仕方ないことを必死に叫んでしまう。…たが男は馬鹿にせず、彼女の背中を優しく撫でていた。
「んー、怖い夢でも見たんかな。まぁ落ち着き。怖いなら今日は俺の部屋で寝たら?どうせ明日までの仕事残ってて徹夜だし…ベッド使ってもらって構わんし」
「う…ううっ…ううう~」
「え、そんな泣くほど嫌?」
大泣きする彼女はぶんぶんと首を横にふる。
微笑んだ男は彼女の肩に手を回して、一緒に階段を降りた。
「はいり、はいり。その格好で外は寒いよ」
部屋のドアを開けてくれる。
涙が止まらない彼女は目をこすりながら中へ入った。
ギィィーー
(よかった……お兄さんが来てくれて……)
通されたのは靴がひとつも無い、きれいな玄関。裸足で飛び出してきた彼女はそのまま框(カマチ)を上がった。
(あのままあの部屋にいたら、今ごろっ…!)
恐ろしい手の感触がまだ消えない。
震える彼女は、キッチン台の横をとおってワンルームに入った。
ギィィィィ───
......バタン
「…………………ぇ」