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女性のための犯され短編集
第8章 幽霊アパートで犯される
そこで立ち止まる。
彼女が通された男の部屋には、家具がひとつも置いていなかった。
「…………どうして」
「──…」
「お兄……さん……?」
ゆっくりと振り返ると、男は玄関に立っていた。
ドアは閉めたが、電気も付けず、こちらを見ている。
その顔は暗闇のせいなのか──ナゼカ、真っ黒だった。
「‥‥‥ッ‥‥そん、な‥‥」
意味がわからず瞠目(ドウモク)する彼女は、ふと思い出す。
そうだ
今まで
ベランダのお兄さんに会うのは、いつも、必ず、日が沈んだ後の夜だった──。
『 ・・・・・・ キ タ 』
顔も口もない真っ黒な男から、その声だけが聞こえた。