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女性のための犯され短編集
第8章 幽霊アパートで犯される

「‥‥なん で?‥‥ど‥して?」

 一歩、二歩、と後ずさり、男から逃げる。

 ──するとその身体をまた " あの " 無数の手が捕まえてきて、彼女は身動きがとれなくなった。

 キタ、キタ、キタ、キタ

 前も後ろも右も左も不気味な声に囲まれる。

 そうか、この手は……

(なんで気付かなかったの、この手は)

 毎夜、寝ている彼女に群がっていた幽霊は
 彼女を " 押さえ付けていた " わけじゃない


 《 オリテ コイ 》


 床から手を伸ばし……彼女を " 下へ " 引きずり下ろそうとしていたのだ──。




「‥‥ぃ‥‥いやだ‥‥!」

 今さら気付いても遅すぎる。

 怨念というより邪念だった。酷く邪(ヨコシマ)な念が部屋の中に充満している。

 スススス...

 着ているTシャツがひとりでにめくれ、穿いていた薄手のズボンも床に落とされる。

 ザワッ...!

「‥‥ッ‥」

 すると彼女を捕らえる手がいっせいに動き出し、虫が這うような気色の悪い感覚に全身を包まれた。

「はぅぅぅ‥!」

 剥き出しにされた胸の膨らみがぐにぐにと形を歪める。中途半端に開いた股の間にも…上手く声が出さない口にも…さらに耳の孔の中にまで、見えない指は侵入した。

「ううう‥っ……!」

 恐怖と息苦しさを織りまぜた嗚咽をこぼして、彼女は涙する。幽霊の手が、胸を揉み、乳首をつねり転がして、逃げる舌の感触を味わい、脇腹や背中や内ももを撫で、ヘソの窪みをほじり、尻肉をタプタプと揺らしながら、割れ目に指を沿わしてくる。


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