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禁断の果実
第13章 友里恵
よりによって、美術教師とそんな関係になっているとは友里恵は思ってもいなかった。
響は美大に進みたいと言っていた。
きっと響はその女教師に騙されているのだと友里恵は思ったに違いない。
校長はこう言うのだ。
「親御さんからも、注意して頂けないでしょうか?」
「はい、私からも響にその女教師と別れるように言ってみます…」
「よろしくお願いします…」
そう言うと校長は電話を切った。
友里恵はこの事態をどうにかしなくてはと思っていた。
父親の浩史の耳に入る前に何とかしなければと思っていたのだ。
友里恵は響が学校から帰って来た時にこう切り出す。
「響、帰ったの?」
「ああ、母さん、ただいま…」
友里恵は自室に戻ろうとする響を呼び止めてこういう。
「響、ちょっと話しがあるんだけど、いいかしら?」
「え?話しってなにさ?」
響はちょっと警戒している様にそう言う。
尚も、友里恵は続けるのだ。
「今日、校長先生から電話があったのよ…」
「それが、どうしたって言うんだよ…」
「響、あなた女教師と付き合ってるって言うじゃない?本当なの?」
響はこの事を聞くとちょっとビクリとしてしまう。
友里恵にこう言った。