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禁断の果実
第14章 事故

「で、今響はどこにいるんですか?」
「今、美しが丘総合病院に運ばれたらしい…」

「高岡先生、直ぐに病院に行ってくれないか?私も直ぐに行く…」
「はい、分かりました、直ぐに向かいます…」

私はタクシーを呼び美しが丘総合病院へと向かった。
そして、響が治療を受けている救急救命室の所に行った。

そこにはすでに、響の父、浩史と母、友里恵の姿があった。
医師は直ぐに緊急の手術が必要だと言って来た。

響は手術室へと運ばれてゆく。
手術室と書かれた文字が赤く点灯された。

どうやら、響は横断歩道を渡ろうとした時に、信号無視をして交差点に入って来たトラックにはねられたらしいのだ。

響は自宅を飛び出すと私の家に来ようと思い、急いでいたらしい。
急ぐあまり、響は横断歩道を走って渡っていたらしいのだ。

そこに大型トラックが信号を無視してスピードも落とさずに突っ込んで来たと警察の人は話していた。
響はトラックにはねられトラックの下に巻き込まれてしまったのだ。

トラックの運転手はまだ20代の若者で事故原因はわき見運転の様だった。
それを聞くと私はやり切れない思いを感じたのだ。

私たちは手術室の前にある長椅子に腰かけて手術が終わるのを待っていた。
友里恵が私を見つけるとこう言ってくる。

「こんなことになったのも、全てあなたのせいよ!!」

それを言われると私は何も言えなくなる。
そんな様子を見て浩史は友里恵にこう言うのだ。

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