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禁断の果実
第3章 美術館
小中学生、無料。
障害者手帳をお持ちの方、無料。
などとなっている。
私は観覧料を支払い美術館の中に入って行った。
日曜日とあって人は少し多いと感じた。
こんな朝早くから絵画を見に来る人が多いのにも驚いたのだ。
私は常設されている他の絵画を見ながら、ゴッホの「ひまわり」が展示されている場所までゆっくりと歩いて行った。
ゴッホの「ひまわり」の所にはいつも人が集まっている。
それくらいに、この絵画の魅力を多くの人は感じているのだろう。
その「ひまわり」の絵の前にひとり佇み食い入るようにその絵を見ている少年がいた。
私はその少年の後ろに立ち、同じように「ひまわり」の絵を食い入るように見ていた。
「ひまわり」はゴッホの代表作のひとつだ。
1888年2月、ゴッホは南フランスのアルルに向けてパリを出発する。
彼はそこで画家仲間との共同生活を計画し、指導者として敬愛する画家ポール・ゴーギャンを招待した。
「ひまわり」はゴーギャンの到着を待ちながら、その部屋を飾るために描かれたものだと言う。
「ひまわり」は、この8月に描かれた1点目の「黄色い背景のひまわり」をもとに、実際にゴッホがゴーギャンと共同生活を送っていた1888年11月下旬から12月上旬頃に描かれたとされている。
基本的な色や構図は他の作品と同じだが、タッチや色合いは異なっており、ゴッホが単なる複製を描くのではなく、考察を重ねながら本作に取り組んだことがうかがえるのだと言う。
ゴッホの「ひまわり」は、明るい南フランスの太陽、ひいてはユートピアの象徴であったと言われている。