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禁断の果実
第3章 美術館
「先生さ、日曜日のこんないい天気の日にさ、美術館なんて来ててさ、彼氏とかいないの?」
響はとても不思議そうにそう言ってくるのだ。
私は響にこう言った。
「彼氏?」
「そうだよ、彼氏だよ…」
「いるわよ…」
「なら、彼氏と一緒に来ればいいじゃん?なんでひとりなんだよ…」
響は私に彼氏がいるのに何故ひとりでこんなところに来ているのか不思議でならない様だった。
なので、私はこう言ったのだ。
「彼氏はいるけど、画商でね、今日は仕事なのよ…」
「彼氏って画商なのか?」
「ええ、そうよ…」
すると、響は話しを戻して来た。
「先生もゴッホが好きなんだ?」
「ええ、大好きよ…」
私は微笑みながらそう言ったのだ。
すると、響はちょっと恥ずかしそうに下を向いて床を見つめた。
そんな姿を見て私は響にこう提案した。
「前澤くん、一緒に他の絵画も見て回らない?」
「え?他の画家の絵?」
「そうよ、愉しいわよ…」
「う、うん、いいよ…」