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禁断の果実
第1章 プロローグ

優一郎がこう言ってくる。

「今夜の食事はなんだい?」
「え?今日はクリームシチューよ、ロールパンとバケットも買ったわ、好きな方を食べてね、それとワインにサラダもあるわ…」

「クリームシチューか、旨そうだな…」
「美味しいわよ…さ、手を洗って…」

優一郎は私に促されると小さなキッチンで手を洗う。
部屋にはシングルベッドとローテーブルにソファーが置いてある。

後は、勉強机と小さなドレッサーが置いてあった。
実にシンプルな部屋だと思ってしまう。

部屋には小さいけれどクローゼットがある。
そこの中に洋服などは仕舞っておけたのだ。

「優一郎さん、ワインを開けて頂戴…」
「あ、分かったよ、今開けるから…」

私たちはワイングラスにワインを注ぎ、グラスを傾けて“チン”と鳴らし今夜の食事に乾杯した。
赤ワインを飲むと身体に染みこんでくるようだった。

優一郎が話しかけてくる。

「瑠唯、結婚式って来年だよな…」
「そうよ、来年の春には結婚するのよ、私たち…」

「俺、凄く嬉しいよ…」
「そう、私も同じよ…」

そう言うと私たちは顔を見合わせて笑ってしまう。

「今夜のクリームシチューも旨いな…」

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