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禁断の果実
第5章 婚約者
「でも、先生がそう言うなら俺、帰るよ…でも、今日は学校へは行かないから…」
響は昨夜の出来事でかなりショックを受けているようにも見えた。
私もこう言う。
「私も今日は学校へは行けそうにないわ、学校には電話で連絡を入れるから…」
私は今日学校に行けるような精神状態ではなかった。
すると響がこう言う。
「先生がいない学校なら尚更行かないよ…」
「でも、明日には学校に行ってね…」
「うん、先生が行くなら俺も行くよ…」
「分かったわ…私も明日は行くようにするわ…」
「なら、俺、もう帰るから…何かあったら俺に連絡して…」
そう言うと響は私の机の上に置いてあるポストイットに自分の携帯の番号を書いていた。
響は書き終えると玄関の方に歩き出した。
私はその後ろ姿をただ見ていた。
「気を付けて帰るのよ…」
「うん、分かった、先生も無理するなよ…」
「ありがとう…」
そう言うと玄関のドアが閉まる音がした。
私は自分のスマホを取り出すと彼氏である優一郎に電話を掛けた。
時計を見ると午前7時を少し回った頃だった。
呼び出し音が鳴っている。
「もしもし…優一郎さん?瑠唯よ…」