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禁断の果実
第5章 婚約者
私はドリップ珈琲2つをマグカップへと淹れた。
私たちは珈琲を飲みながら他愛もない軽いお喋りをした。
響がこう言ってくる。
「先生が休むからさ、俺も学校休んでるよ…」
「え?本当に?」
「うん、マジで…」
「それはいけないわ…」
「だって、先生来ないじゃん?」
「それは、そうだけど来週からは行くから大丈夫よ…」
私は珈琲を飲みながらそう言ったのだ。
すると、響がこう言ってくる。
「でも、先生、もう本当に大丈夫なのか?」
「え?」
響はレイプ事件の話しをしようとしていた。
私はもうあの事件の事には触れて欲しくなかった。
だが、響は話してくる。
「俺、悔しくてさ…先生を守れなかったのが…」
「もう、その話はやめて…」
「そ、そっか…」
「もう、あの事件は忘れたいのよ…」
「そ、そうだよな…」
響はちょっと元気なくそう言ったのだ。