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禁断の果実
第6章 部室
響は恐る恐る美術部の部屋に入って来た。
美術部の部屋は独特の油絵の具の匂いや鉛筆や水彩絵の具の匂いがしていた。
部室の部屋にはデッサンに使う時の円錐の置物やボール、円柱などの置物が所せましと置かれていた。
それに、生徒が描いた油絵なども展示されている。
今は丁度、生徒が円錐のデッサンをしている様だった。
生徒は5~6人だろうか。
皆、熱心にデッサンをしていた。
私は響にこう問いかけた。
「前澤くんは絵を描くのが好きなのよね?」
「うん、俺、絵は好きだよ…」
「どこかで習ってるのかな?」
「え?何を?」
響は私の問いを理解できていない様だった。
「絵の指導よ…」
「そんなの、誰からも教わってないよ…自己流だよ…」
そう言うと、ちょっと目を伏せて床を見つめていた。
そこで、私はこう提案したのだ。
「じゃ、前澤くん、ここで美術の勉強をしてみない?」
「え?ここで?」
「そうよ…」
「先生が教えてくれるのか?」
「ええ、そうなるわね…」