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禁断の果実
第6章 部室
私はちょっと笑って見せた。
響は少し考えている様だった。
そして、こう言う。
「先生が教えてくれるんなら、やってみてもいいさ…」
響はちょっと照れ臭そうにそう言うのだ。
私はとても嬉しくなった。
響と放課後の部室で美術の指導ができるのだ。
これ以上嬉しい事はなかった。
「じゃ、早速デッサンやってみる?」
「え?今から?」
「そうよ、善は急げって言うじゃない?」
私は嬉しくてそう言ったのだった。
部室に常備してあるスケッチブックと鉛筆に消しゴムを用意した。
それを、響に手渡す。
「前澤くんは普段からデッサンとかしてるのかしら?」
「え?余りしたことないかも?」
「なら、丁度いいわね、やりましょう…」
私は他の生徒の席の隣に響を座らせた。
そして、スケッチブックを開くように指示する。
響は言われたようにスケッチブックを開きデッサンを始めた。
「デッサンは絵を描くときの基本よ…しっかり描いてね…」
「わ、わかったよ…」