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禁断の果実
第2章 転校生
「はい…」
「それで、転校してくることになったのだよ…」
私はトラブルと聞いて少し不安になった。
どの様なトラブルをこの少年が起こしたのだろうか。
校長の話だとこの様な事だった。
響の父である前澤浩史は医者をしている。
将来、響を自分の経営している前澤病院を継がせたいと思っていた。
だが、その父の意思とは反して響は絵ばかりを描いている。
そんな父からこう言われたのだ。
「響、お前は将来この前澤病院の院長になるんだ!!くだらない絵ばかり描くんじゃない…」
しかし、響はこう言い返した。
「父さん、俺は将来美大に進みたいんだ、そして、絵の勉強がしたいし画家になりたいんだ…」
父、浩史は激怒し、こう言い返す。
「画家になんてなっても食っていけるかどうか分からないんだぞ!!」
「分かってるよ…」
尚も浩史はこう言ってくる。
「お前はちゃんと医学部に行って医者になるんだ…」
「それは、できないよ…」
「父さんのいう事が聞けないのか?」
「聞けないね!!」
そう言うと響は自宅から出て行った。