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禁断の果実
第12章 辞職
それを聞かれると校長はちょっと黙ってしまった。
まさか、自分の母親と同じ年齢の女性と情事に及んだなどとは話せないと思っていた。
校長はこう言ってくる。
「これから話す事は、ここだけの話しにして頂けないでしょうか?」
「はい、分かりました…」
そこで、校長は事の次第を説明してゆく。
それを聞いて優一郎は驚きを隠せない様だった。
そして、こう続けるのだ。
「実は、その高岡先生は僕の婚約者なんです…」
「え?そうなんですか?」
校長はそれを聞くと尚更驚いている様だった。
「校長先生から高岡先生に事実確認をして貰えないでしょうか?」
「確かに、生徒と交際しているのが事実であればそれは由々しき問題です…」
「僕もそんな噂を聞いてちょっと気分が悪いので…」
「それは、そうでしょう…高岡先生には私から聞いてみますので…」
「よろしくお願いします…」
「分かりました…」
その言葉を聞くと優一郎は少し安心したように校長室を後にした。
優一郎は校長にこの話しをしたことで、私が呼ばれ注意を受け響と別れてくれると思っていた。
これで、また私が優一郎の元に戻ってくれるだろう。
そう、思っている様だった。
校長はこの話しを聞き少し悩んでいた。
問題児である響を私に押し付けたことでこんな噂が出てしまったのだ。