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禁断の果実
第12章 辞職
何とかしなくてはと思っていたに違いなかった。
私は昨夜の出来事が気にはなっていたのだが、こんなに早く優一郎が動くとは思ってもいなかった。
いつもの様に私は生徒に授業を行い、放課後には美術部の部室へと行ったのだ。
部室で生徒の絵を見ている時だった。
職員の先生が部室にやって来てこう言うのだ。
「校長先生が校長室まで来て欲しい…との事です…」
私はそれを聞くと何事かと思っていた。
生徒を部室に残すと校長室へと向かったのだ。
校長室のドアを軽く叩く。
「入りたまえ…」
「失礼します…」
「高岡先生、さ、座ってください…」
「はい…」
そう言うと私は校長室のソファーに腰かけた。
校長は続けてこういうのだ。
「今日、呼んだのはちょっとした噂を耳にしてね…」
「はい、どの様な事でしょうか?」
校長はちょっと言いにくそうにしている。
でも、こう続けるのだ。
「実は、高岡先生と前澤君が交際しているという話を聞いたのだがね?」
「え?」
私はそれを聞くと焦ってしまう。
これは優一郎が校長に話したのだと思ったのだ。