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雨が好き
第62章 約束

「お仕事、大丈夫?」
「う・・・うん・・・なんで?」
「足、痛くなったりとか?」
「ああ、そっちか・・・うん。足は大丈夫」
「足以外に・・・何か?」
「ううん・・・特には・・・」
何か、奥歯に物が挟まったような言い方。
どうしたの?お仕事、なにか困ってるの?
少し冷め始めたカフェラテを一口。
それから、少し視線を泳がせて、
窓の外を見る。
少し、唇を噛む
「あの・・・」
私の顔を見て、また、下を見る。
唇を噛む仕草が、水際さんとよく似ていた。
なにかちょっと、言いにくそうなことを言おうとしている?
「すごく、言いにくいし、
これを言うのが正しいのかわからないのだけど・・・」
少しの沈黙。
そして、意を決したように・・・
「みなとさんに、お墓参りに・・・付き合ってほしいんです」
お墓参り・・・
この前、水際さんが言っていた
『命日が近いからかもしれない』
って。
多分、それなんだ。
栞さん
笹屋栞さん。
蒼人さんの前の恋人が、
この世を去った・・・日・・・。
その人のお墓に一緒に行こうということが、
何を意味しているのか、すぐにはわからなかった。
でも、ひとつだけ、今ここでも分かっているのは、
蒼人さんは私のことを思ってくれている、ということだ。
それが、真実だということを、私自身の心が、一番よく理解していた。
そして、約束が交わされる。
次の日曜日、二人で一緒にお墓参りに行く約束が。
「う・・・うん・・・なんで?」
「足、痛くなったりとか?」
「ああ、そっちか・・・うん。足は大丈夫」
「足以外に・・・何か?」
「ううん・・・特には・・・」
何か、奥歯に物が挟まったような言い方。
どうしたの?お仕事、なにか困ってるの?
少し冷め始めたカフェラテを一口。
それから、少し視線を泳がせて、
窓の外を見る。
少し、唇を噛む
「あの・・・」
私の顔を見て、また、下を見る。
唇を噛む仕草が、水際さんとよく似ていた。
なにかちょっと、言いにくそうなことを言おうとしている?
「すごく、言いにくいし、
これを言うのが正しいのかわからないのだけど・・・」
少しの沈黙。
そして、意を決したように・・・
「みなとさんに、お墓参りに・・・付き合ってほしいんです」
お墓参り・・・
この前、水際さんが言っていた
『命日が近いからかもしれない』
って。
多分、それなんだ。
栞さん
笹屋栞さん。
蒼人さんの前の恋人が、
この世を去った・・・日・・・。
その人のお墓に一緒に行こうということが、
何を意味しているのか、すぐにはわからなかった。
でも、ひとつだけ、今ここでも分かっているのは、
蒼人さんは私のことを思ってくれている、ということだ。
それが、真実だということを、私自身の心が、一番よく理解していた。
そして、約束が交わされる。
次の日曜日、二人で一緒にお墓参りに行く約束が。

