この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
雨が好き
第63章 お墓参り
【お墓参り】

栞さんのお墓は、電車で1時間ほどのところにあった。
お昼のお客さんが少し落ち着いた頃、私は『みなと町』を出発した。

蒼人さんとは、駅で待ち合わせの予定だった。
どんな服を着ていけばいいのだろう、と思ったけれど、蒼人さんが『普通の服で』ということだったので、ベージュのスカートにホワイトのニットという、当たり障りがないような格好で行くことにした。

蒼人さんはやっぱり約束よりも早く着いていた。
ブラウンのジャケットに、黒っぽい厚手の長袖Tシャツ。そして、下はやや明るめのベージュのパンツだった。肩からは小さめのトートバックをかけている。
軽く手を振り合い、駆け寄る。

「お待たせしました」
「大丈夫、予定前」
「蒼人さん、いつも早いから」
「いいの、いいの」

いつもの会話。
そのまま改札をくぐって、電車に乗り、ゆらゆら揺られて1時間。
他愛のないおしゃべりをしていたけれど、こころなしか、いつもの蒼人さんよりおしゃべりが少ない気がした。

私の方はと言うと、本当は聞きたいこと、聞かなきゃいけないことがあるのに、それを聞けなくて、やっぱり少しぎこちなかった。

だからかもしれない。
いつもより、言葉が途切れる時が多かった。
/283ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ