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雨が好き
第80章 コーヒー

カラン・・・
『みなと町』の扉についた鈴が鳴る。お客さん?
慌てて顔を上げると
「蒼人さん・・・!」
彼が、丁度、傘を閉じるところだった。
「こんにちは、みなとさん」
「いらっしゃい、蒼人さん」
今日は雨。
蒼人さんはやっぱりお仕事の時間が空いたようだった。
ん?
いつものカウンター席についた蒼人さんが、首を傾げる。
「みなとさん・・・なにか、元気・・・ない?」
私は頬に手を当てる。
顔に、出てしまっていたのかしら・・・。
ほんの少しの変化だと思うのだけど、
そんなことにも気づいてくれる、蒼人さんはやっぱりすごいな、と思ってしまう。
「あの・・・ね。
コーヒーの話、したでしょ?」
おいしいコーヒーを淹れるためにとりあえず色々調べようと思ったこと
でも本を読んだら、知らないことだらけだったこと
「なんだか・・・情けないなぁって」
そう、情けないと思ったんだ。
何年も何年もお父さんといっしょに喫茶店でお仕事していたのに
私は自分がやってることすらよく知らなかった。
それが、分かってしまって
なんだか、とても、情けないなって・・・
そう言って目を伏せる私を見て、蒼人さんが微笑む
『みなと町』の扉についた鈴が鳴る。お客さん?
慌てて顔を上げると
「蒼人さん・・・!」
彼が、丁度、傘を閉じるところだった。
「こんにちは、みなとさん」
「いらっしゃい、蒼人さん」
今日は雨。
蒼人さんはやっぱりお仕事の時間が空いたようだった。
ん?
いつものカウンター席についた蒼人さんが、首を傾げる。
「みなとさん・・・なにか、元気・・・ない?」
私は頬に手を当てる。
顔に、出てしまっていたのかしら・・・。
ほんの少しの変化だと思うのだけど、
そんなことにも気づいてくれる、蒼人さんはやっぱりすごいな、と思ってしまう。
「あの・・・ね。
コーヒーの話、したでしょ?」
おいしいコーヒーを淹れるためにとりあえず色々調べようと思ったこと
でも本を読んだら、知らないことだらけだったこと
「なんだか・・・情けないなぁって」
そう、情けないと思ったんだ。
何年も何年もお父さんといっしょに喫茶店でお仕事していたのに
私は自分がやってることすらよく知らなかった。
それが、分かってしまって
なんだか、とても、情けないなって・・・
そう言って目を伏せる私を見て、蒼人さんが微笑む

