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雨が好き
第80章 コーヒー
「みなとさん・・・えっと、ブレンド、ひとついい?」
言われて、あ、そうか今は蒼人さんお客さんなんだって、思い直して、

「え、はい・・・ブレンド・・・ですね」
そこまで言って、あれ?と思う。
いつもは、カフェラテなのに?

ブレンドを淹れるとき、『みなと町』ではペーパーフィルターを使っている。
カフェラテはエスプレッソマシーンで淹れる。

「少々お待ちください」
コーヒーは私の担当
それが『みなと町』でのお父さんと私の役割分担だった。

フィルターにコーヒーの粉を量り入れる
すこし、ならすように、とんとん、と
それから、ずっと使っている口の長い薬罐を取り上げて
ちょっとだけ深呼吸して
ゆっくりとお湯を落とす
くるりとお湯を回すんだよ、ってお父さんが教えてくれた
一周して、ここでお休み
お湯が落ち着いたら、もう一周
しばらくしてまた落ち着いたらもう一周、そして二周

1杯分、ちゃんとできたらポットから外して。
あっためたカップに注ぐ・・・だけ。

銀のお盆にブレンドコーヒーと
ポットに入ったミルク
それからお砂糖

「お待ちどうさまでした」
コーヒーをお給仕、そっと、お邪魔にならないように

お父さんが言っていたから。
『お客さんは、喫茶店に静かな時間を買いに来るんだよ』って。

だから私はいつも控えめに後ろから。
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