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雨が好き
第81章 学園祭
私がやったことがない、と言うと、水際さんは練習してみよう!と張り切る。
なんだったら後輩ちゃんたちに教えてほしい・・・なんて・・・

え?え?
ど・・・どうしよう・・・

ぐいっと、何か強く手を引っ張られているような、そんな感じ。
胸がドキドキする。

ちらっと図書館で借りた本と、この間本屋さんで買った本を見る。
確かに、本を色々見ていて、

あ、こんなコーヒーのアレンジあるんだ、って思ったり、
いつも来る、あのお客さん、こういうの好きかもしれない、って考えたり

『みなと町』で出せるようになるメニューが増えたら、きっとお父さんも喜んでくれて・・・
そう思っていたんだけど

相変わらず私は『はじめの一歩』が踏み出せないでいた。
私が超えられなかったその一歩、
それを軽々超えていってしまう、水際さん
彼女が私に手を伸ばして笑っている
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