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雨が好き
第95章 恋愛相談
いや・・・相談するって・・・決めたから・・・

そう思って、唇を少し噛む。
目の前に置かれたミルクティーで少しだけ唇を湿らせた。

「この間、耀さんに紹介された映画、見たの・・・」
ゆっくり話を始めた。
映画で見たラブシーンにすごくドキドキしたこと
恋人同士になるために、きっと必要だって思ったこと
でも、一歩踏み出せないこと

「みんなは、どうやって・・・その・・・
 あんなふうになるんだろうって」

キュッと両手でカップを握りしめる頃には、
私のミルクティーはすっかり冷めてしまっていた。

「うーん・・・」
耀さんが上目遣いで少し考える様子を見せる。
ストローでくるくるとレモンティーをかき混ぜていた。

「やっぱり、蒼人さんも・・・そう、したいのかなって」

それが一番気になっていた。
私は蒼人さんの恋人として、ちゃんとできてないんじゃないかって。

「そうですね・・・『元』男として言うなら・・・
 いや、やっぱり難しいなぁ・・・
 多分、いつか、って思っていると思うけど、無理矢理にとか、少しでも早くとか、
 みんながみんな、そう思っていない・・・と思います。
 私だったら、キスとか、ハグで十分かなって
 必ずしも、セックスは恋愛に必要ではないんじゃないかなって」

耀さんの口から自然と出てきた『セックス』という言葉に、私はドキリとした。
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