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雨が好き
第97章 夜桜
【夜桜】

「みなとさんから散歩のお誘いなんて、珍しいですね」

すっかり風が温んだある春の日の夜
私は、蒼人さんを散歩に誘い出した。

「今夜、少し、散歩しませんか?」

そんな風に何気ない雰囲気で切り出せたと思うんだけど・・・。
『みなと町』でお夕飯を済ませてくれた蒼人さんと、外に出る。

すっかり日が落ちた町を少し歩くと、川沿いの道に出た。

蒼人さんは、お仕事場で、そろそろ日向にはつくしが生えてきたんですよ、とか
ハイキングで山に登ってくる人がまた増えてきて、とか、
そんなお話をしてくれた。

『でも、最近はこのあたりの山でも熊が出る、って言われているんで、注意してはいるんです』とも。

熊・・・?
そうか、ニュースでもやっていたものね。

私の方は、また新しいメニューを考えようかなとか、
お父さんがワッフルも『みなと町』で出そうかと思っているとか、
そんなお話。

他愛のない、とても、優しい会話。

夜の川辺の道に、
ぽつりぽつりと白銀の街灯が並ぶ
その光をなぞりながら、
私達はゆっくり歩いていた。

ふと、二人のおしゃべりが止まる
瞬間、訪れる静かな時

サラサラと流れる水音と、
土の匂いを微かに含む風
月のない夜

ただ二人歩いているのが
心地よかった。
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