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甘いピンクの果実
第2章 元アイドルで女子アナの生島絵梨花の女子校時代
 「店長」秋葉乃は振り向いた声のしたほうに。
 「おっ、あっ、生島絵梨花」見た瞬間にフルネームを憶えていたのには自分でも驚いた。絵梨花も驚いている。
 「ワタシのこと憶えてくれてたんですね。うれしい」
 「確か地元は百楽だったよね。寮から帰省したのか」ホントは家出をしてきたのかと訊きたかった。絵梨花は上下グレーのスエット姿。黒のボストンバックを抱え白のキャリーケースを手にしている。絵梨花はなぜか涙目で。
 「そんなことまで憶えてくれてたんですか。ぜったい顔を見せたら採用したのに連絡なしで来ないなんてありえないし、ふざけてるだろって怒鳴られるの覚悟してました」
 「確かに連絡はしてほしかったけど体調不良で入院してたのかな。それなら連絡できなかったのはわかるけど」
 「ないです。それはありません。でも訊いてほしいです店長に、だから逢いに来ました」
 「なにを訊けるのかな」
 「ぜんぶです。ワタシがなんで都内に住んでるのかアルバイトに応募したのかいっちゃいけないことなんだけど店長には嘘や隠し事はしたくないから」
 「そういうことなら、ここで立ち話はできないな。ご飯でも食べながら話そうか」
 「無理ですよ。」
 「なんで」
 「男の人とふたりきりでご飯なんかいったことないから緊張して食べれません」秋葉乃は苦笑いしたくなるのを堪えて腹を擦り。
 「ゴメン。おなかが減ってるんだ。自分が食べるの見ながら話をしよう。それでいい」絵梨花はニコッと笑って頷いた。じゃあと秋葉乃は絵梨花が肩にかけたボストンバックと手にしたキャリーケースを持ってあげて自分が肩にかけていたショルダーバックを絵梨花に渡して交換といって歩きだした。絵梨花はちいさな声でありがとうございますといって付いてきた。
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