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第2章 女中　良枝

　「ご主人様。たくさん教えていただいて、たくさん気持ちよくしていただいて、有難う存じます。」　

　良枝は、殊勝に礼を言ってから、笠井に背を向け、見えないところで薄懐紙を使って後始末をしていたようだが、笠井は良枝の気持ちを察して、黙ったまま天井を見上げていた。やがて、良枝は、掛け布団を引きながら、仰向けに寝た笠井の脇に横寝して潜り込んだ。二人は、その夜、裸のまま寄り添って、一つ布団の中で眠りについた。

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