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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
「今日は、日差しはあっても、えりゃー寒かったの。たくさん洗濯して、冷たかったろうが。」
「お洗濯は少しお湯を足させてもらえますし、女中のお姉さんたちが、肌の手入れをする軟膏を分けてくれます。ご奉公に上がる前は、霜焼けとヒビ割れで辛かったのとは大違いで、有難く存じております。お風呂だって、一週間に一回ほど、近くのお家で遅い時間に<もらい湯>してましたので、毎日入れるのは夢のようです。」
「そんな事も<有難い>と言えるんは、本当(ほんと)にええ娘(こ)じゃ。」 笠井はそう言ってからも、しばらくは、湯の中で良枝の胸をゆっくりと撫で続けた。笠井の指先が、時おり乳首に触れると、良枝が微(かす)かに吐息を漏らし、湯面に綺麗な波紋が広がった。