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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝

 笠井は、 「良枝は、わしの言うことも、お姉さんたちが言うことも、本当に真面目に聴いて、感心な娘(こ)じゃ。いきなり辛いことをさして、すまんかったの。そいでも、これにも段々に慣れていかんとの。口で精を受けるんは、孕みやすい時だけでのうて、普段にもあることじゃけえ。」 といいながら、良枝の頬をやさしく撫でた。

 良枝は、笠井の優しい言葉に少し涙ぐみながらも、気丈に、 「ご主人様。また初めてのことを教えていただいて、有難う存じます。」 と言ってから湯船を出ると、湯文字を巻いて椅子の脇に正座し、手拭いに石鹸をつけ始めた。笠井は、その健気(けなげ)な振舞いに愛おしさを覚えながら、椅子に腰かけて、体を洗わせたのだった。

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