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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第1章 女中頭 幸乃(ゆきの) ~ 「西片向陽館」の秘密

誠一は、しばらく戸惑いの表情を見せていたが、やがて意を決したように両腕を幸乃の背中に回した。幸乃は、それを待っていたかのように、膝を崩し、誠一の胸に体を預けるようにもたれかかって、 「もっと強く。」 と、つぶやいた。誠一の腕に力が入ると、幸乃のため息が漏れた。 「吉川様。先ほど<どう振舞えばいいのか>と仰っていましたが、女子(おなご)はこうして、優しく抱きしめていただくだけで嬉しいものでございます。そこから後は、お気持ちを自然にお出しになれば良いのです。よろしければ、私の唇をお吸い下さいませ。」
幸乃は、誠一が驚いて思わず目を見開いたのにかまわず、顔を寄せて軽く唇を重ねた。唇が何度か触れ合った後、幸乃の舌がゆっくりと誠一の口に差し込まれ、誠一もぎこちなく舌を絡めた。誠一の鼻先に、髪油と紅の香りが漂った。やがて、幸乃は、唾液の糸を引きながら、ゆっくりと舌を離すと、誠一の学生服の上衣を脱がせてから、胸を押し、座布団を枕に仰向けに寝かせた。そして、誠一に覆いかぶさるように、再び唇を重ねると、片手でズボンのベルトを外し、手のひらを下帯に滑り込ませた。

