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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第1章 女中頭 幸乃(ゆきの) ~ 「西片向陽館」の秘密

 6時になると、笠井の部屋の「次の間」には、誠一と、他の下宿生二人が集まった。幸乃が、二つずつ対面に並べられたお膳を立ち回って酒の酌をし、その他の女中たちは、台所仕事と給仕に忙しく往来していた。

 笠井は、その国なまりから誠一が見込んだ通り、岡山の出身で、家は古くからの山林地主だと、簡単に自分の素性を話した。あとの二人は、いずれも元藩主家の華族の出自で、戸田と水野と名乗った。下宿には、もう一人、富田という財閥家の子息がいるが、上海に居る家族のもとに旅行中とのことだった。

 挨拶もそこそこに、酒を酌み交わしながらの歓談が続いた。春先の満州国の建国や、秋に入っての東北地方の凶作など、気詰まりな時事の後は、日米野球の話題が弾んだ。その日の午後、静岡草薙球場で行われた試合の模様を、ラジオニュースで聞いたという笠井と戸田が、<京都商業の沢村が大リーガーから三振を沢山とったが、ホームランを1本だけ打たれて、1対0で惜敗した。>ということを、興奮気味に語った。
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