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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第4章 女中 清(きよ)
しかし、いよいよ清の当番が終わる週末を迎えた土曜日の朝餉の時に、思い切って<今夜はゆっくりと寝間に入って欲しい>と声を掛けた。清は、 「かしこまりました。先日の清の振舞いがお気に召さなかったかと案じながら、お求めをお待ち致しておりました。嬉しゅうございます。」 と、丁寧にお辞儀をして答えてから、誠一を見詰めながら微笑んで、 「今日は、お出かけのご都合はいかがでございますか。よろしければ、少し早い時間にお風呂のご用意をいたします。」 と、続けた。
誠一は、清の妖艶さを感じさせる視線に、再び淫靡な秘め事を経験できるのではないかという期待で、思わず顔が熱くなったが、それを気取られぬように、ゆっくりした口調で、 「それでは、五時からでお願いしましょう。」 と言い置いて、下膳している清を残し、いつもの純喫茶に向かった。
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