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第4章 女中　清（きよ）

　誠一が手洗いから戻り、しばらく文机で友人からの手紙を整理していると、清が、エンジ色に薄桃色の菊をあしらったネル地の寝間着姿で、茶器を載せた黒漆の丸盆を手に、襖を開けた。束髪（そくはつ）を下ろし、束ねた髪を首元から胸前に垂らしていた。誠一の脇に座って湯呑に茶を注ぎながら、　「ご主人様が＜今夜はゆっくりされる＞と仰ったので、勝手に添い寝の身支度をして参りましたが、よろしゅうございましたか・・・。まずは、お茶をどうぞ。」　と言って、誠一の顔を覗き込んだ。

　柔らかいネル地では、清の豊満な胸や腰回りを抑えることができず、お茶を出すだけの少しの動きでも、寝間着の胸元や裾が開き気味になった。誠一は、改めて清に年増の女性の色香を感じながら、素直に気持ちを出して返答した。