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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第4章 女中 清(きよ)
翌朝、日曜日の誠一の目覚めは遅かった。何事もなかったように、いそしく朝餉の給仕をする清のふくよかな胸や腰つきを見ながら、誠一は、この一週間を思い返した。初めて身近に接する、年増の色香を漂わせる女中に気後れを感じていた自分が、寝床や風呂で初めて経験する淫靡な所作を積み重ねるうちに、<男としての振舞いに自信が出来た>という思いがあった。
清の当番が終わるその日の夜、誠一はごく自然に、自分の気持ちを素直に出して、清に添い寝を求めた。寝床の中で、清を二度ほど絶頂に導いてから自分も射精した後で、傍(かたわら)で体をを寄せて眠る清を見詰めながら、この「西片向陽館」での生活で生まれつつある<新しい自分>を、はっきりと自覚した夜だった。
(第1話 了)