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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第1章 女中頭 幸乃(ゆきの) ~ 「西片向陽館」の秘密

 「西片向陽館」には、二、三人が一緒に入れる広さの下宿生用の風呂場とは別に、女中部屋の並ぶ区画の中に、小ぶりの女中用の風呂場がある。

 その女中用の風呂場の、青森ヒバで造作された四角い湯船に肩までつかった三島は、伸ばした脚の上に幸乃を後ろ向きに載せ、湯面から半分ほど出た大きな乳房を両手で撫でながら、首筋に舌を這わせていた。脱衣室の小さな電燈の灯りが、ガラス戸を通して漏れ入るだけの薄暗い風呂場には、揺れる乳房が湯を混ぜる微(かす)かな音と、時おり幸乃が発する深い吐息だけが響く、静かな時が流れていた。

 三島が、少しおどけた口調で口を開いた。 「あの頃は、俺と吉川と、どちらの当番が好きだったんだ? 俺が抱いていた時には、さっきみたいに達したことはなかったぞ。」 三島は、そういうと、幸乃の両方の乳首を軽く摘まんだ。
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