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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第4章 女中 清(きよ)
戸田は、そのような思いに至って、自分が新しい世界に踏み込んだような、新鮮な気持ちになり、改めて清を相手にその思いを確かめたいと、数日振りに寝間での奉仕を求めた。
清は、いつものようにネル地の寝間着に小千谷紬の羽織を着て「座敷」に入って来ると、直ぐに無言のまま裸になり、羽織だけを背中にかけて敷布団の上に正座した。戸田は、清の後ろで<あぐら>に座ると、両腕で羽織ごと清の肩をつかんで引き寄せた。清の膝が崩れ、体を斜めにして戸田の胸に寄りかかった。戸田は、片腕で清を支えるように抱き、もう一方の手を乳房に当てて、静かに話し始めた。
「清・・・。あの本は、縛り方の手引き本くらいに思って、この前も図解を見ながら清を縛ったのだが、その後によくよく読んでみると、<縛りというものは、お互いに信頼しあう男女が、女体の美しさを求めて行う愛情表現だ>と説いてあってね。大いに納得して、自省もしたんだ。今までは、清の気持ちも考えずに、私だけが縛りの技に夢中になっていた。」
清は、いつものようにネル地の寝間着に小千谷紬の羽織を着て「座敷」に入って来ると、直ぐに無言のまま裸になり、羽織だけを背中にかけて敷布団の上に正座した。戸田は、清の後ろで<あぐら>に座ると、両腕で羽織ごと清の肩をつかんで引き寄せた。清の膝が崩れ、体を斜めにして戸田の胸に寄りかかった。戸田は、片腕で清を支えるように抱き、もう一方の手を乳房に当てて、静かに話し始めた。
「清・・・。あの本は、縛り方の手引き本くらいに思って、この前も図解を見ながら清を縛ったのだが、その後によくよく読んでみると、<縛りというものは、お互いに信頼しあう男女が、女体の美しさを求めて行う愛情表現だ>と説いてあってね。大いに納得して、自省もしたんだ。今までは、清の気持ちも考えずに、私だけが縛りの技に夢中になっていた。」