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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
「ははは・・・。そういう仕草が、良枝ちゃんらしくて可愛いね。幸乃さんから、ここでの奉公は半年ほど前からと聞いたけど、そろそろ仕事に慣れてきたころかな。」
「いろいろと教えていただきながら、やっとの事ですが、幸乃さんが、そろそろお当番の仕事につきなさいと言って下さいました。吉川様が、初めてのお当番のご主人様です。それで、最初にご挨拶させていただいた時から、ずっと気が張っておりました・・・。あのぅ、お気に召さなくて、交代させられたらどうしようと。」
「いやいや、そのようなことは無いから、もっと気を楽にしなさい。ところで、さっき言っていた<いろいろと教えていただいて>ということだけど、幸乃さんからは、当番の女中さんは、寝間での奉仕もすると聞いて、とても驚いたんだ。良枝ちゃんは、髪も<桃割れ>だし、奉公したてということは、まだ十五、六と思うけど、強い気持ちで奉公に出たんだなと、感心しているんだよ。」