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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
誠一は、寝床に潜ったまま、腹ばいになって、枕元に置かれたお盆の上で、急須から残り少なくなったお茶を湯呑に注いだ。ふいに、四日前の夜、この布団の上で喘ぎ続けた良枝の淫靡な表情が頭をよぎった。お茶をすすりながら、<この土日で良枝の当番が終わるが、どう接すればよいものか。>などと思案していると、襖の向こうで良枝の声がした。
「ご主人様。お目覚めでらっしゃいますか。こちらの部屋に、朝餉の支度ができております。」
「ああ、有難う。今日は一日部屋でくつろいで過ごすから、丹前でも着るか。出してもらえるかな。」
「はい、かしこまりました。」 と言いながら、良枝が着替えを持って「座敷」に入り、寝床で腹ばいのままの誠一の脇に正座した。誠一が、着替えようと立ち上がり、寝間着の前を開けると、朝勃ちの男根が下帯を押し上げていた。それを正面に見た良枝が顔を赤らめたのを見た誠一は、思わず後ろ向きになって寝間着を脱いだ。入れ替わりに、良枝が丹前を肩に掛けてくれるものと思っていたが、その気配がしないまま、急にすすり泣きの声がしたので、驚いて振り返ると、良枝が両手で顔を覆っていた。