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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
誠一は、思いがけない泣き顔に戸惑いながら、 「いきなり驚かせてしまったかな。」 と声を掛けた。良枝は、しばらく肩を震わせていたが、やがて両手を膝に下ろして、下を向いたまま、とぎれとぎれに話し始めた。
「いいえ・・・。私の方こそ、ご主人様の前でこのような姿をお見せして・・・。申し訳ございません・・・。ご主人様が直ぐ後を向いてしまわれたので・・・、それで、あの・・・、今日もご奉仕はお求めいただけないのかと。それで、寂しい気持ちになって・・・。この三日間は、当番の女中で、私だけが夜の間ずっと女中部屋にいて、辛かったんです。」
「いいえ・・・。私の方こそ、ご主人様の前でこのような姿をお見せして・・・。申し訳ございません・・・。ご主人様が直ぐ後を向いてしまわれたので・・・、それで、あの・・・、今日もご奉仕はお求めいただけないのかと。それで、寂しい気持ちになって・・・。この三日間は、当番の女中で、私だけが夜の間ずっと女中部屋にいて、辛かったんです。」