この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
「良枝は、<信濃の実家が困窮して、何があっても両親を助けるつもりで奉公に来ているので、寝間でのご奉仕もするから、続けてここに置いてほしい>と、覚悟を決めてくれました。そこで、笠井様のお人柄を見込んでのお願いでございます。この娘(こ)は、まだ殿方に抱かれたことがございません。覚悟の上とはいえ、何も知らないまま、いきなり殿方の寝間に入るのでは、本人の不安もいかばかりかと心配しまして。安心してお当番が勤まるようになるまで、笠井様から、少しずつでも所作を教えてやっていただけないでしょうか。」