この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝

 ・・・しばし回想にふけっていた笠井の目に、浅夢のように浮かんだ、あの夜の添い寝する良枝の幼な顔が、突然、目の前で襖を開けて挨拶するショートボブの少女に置き換わって、笠井は我に返った。気が付くと、良枝は、笠井が視線の定まらないまま黙り込んでいたのを、不安そうに見つめていた。笠井は、思わず照れ笑いをしながら言った。

 「いやのう・・・、良枝が立派に当番を勤めるようになったんが嬉しゅうての。この部屋で何回か過ごした時のことを思い出しとったんじゃ。」

 「ご主人様が、優しく教えてくれたお陰様です。有難く存じております。」

 「あんたが、何事にも一所懸命じゃからこそ、での。そいじゃ、この当番の間に、また少し新しいことも覚えてみるかの。」

 良枝はそれを聞いて、頬を赤くして、両手で顔を覆った。笠井は、その可愛らしい仕草を見て、朗らかに笑いながら立ち上がり、洗面に向かった。しばらくして「次の間」に戻った笠井に、朝餉の給仕をしてから学生服への着替えを手伝い、かいがいしく動く良枝を、笠井は安堵の表情で見ていた。幸乃から、<この娘(こ)に寝間での手ほどきを>と言われて戸惑ったが、なんとか役割を果たせたかという思いが湧き上がったのだ。
/259ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ