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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
「構(かま)やあせん。黙っといちゃるから。」 笠井が、再び促すと、良枝は、とぎれとぎれに、つぶやくような小さな声で話を始めた。
「ご主人様は・・・、お床の中でもお上手で、あのう・・・、自分でも気付いてなかったところで気持ちよくしていただけるので・・・、それも楽しみ、とか・・・。こんなこと、恥ずかしい。」
「えりゃあ、ええこと言(ゆ)うてもらえて、嬉しいのう。お姉さんたちから、そんな話もしてもらえるようになったんじゃの。良枝も、気持ちようしてもらうんが楽しみで来ちょるんか。」
良枝は、返事を返すことができずに、両手で顔を覆って、膝をゆすった。笠井は、その可愛い仕草に欲情して、膝枕を外して上体を起こすと、良枝を抱き寄せた。何も言われないうちに、口を薄く開いて目を閉じた良枝の背中に腕を回し、強く引き付けて、舌を絡めた。良枝も、ぎこちなく舌を動かしていたが、しばらくして息苦しそうに顎を上げたので、笠井は唇を離して、良枝の火照った頬を、人差し指で優しく撫でた。丁度、レコードが終わった。