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脳内妄想短編集
第3章 束縛愛
あたしは車を発信させた。
「せっかくなら、夜景が見える場所に行こう」
あたしはそこから一番近い夜景スポットへと向かった。三十分ほどで着く。時間的にもちょうど良かった。
そしてそこは、彼があたしに教えてくれた場所だった。
あたしは怪しまれないよう、彼氏の相談を持ちかけた。束縛が激しいの。片付けろだの化粧しろだの、口うるさいの。前に何度か愚痴を零したことがあったから、それに絡めて話していけばいい。
彼は最初相づちをうちながら聞いてくれていた。だけど途中から、だんだんと相づちがなくなる。何度もあくびをし、言葉が途切れることが多くなった。
コンビニを出発してから十五分ほど。予想より早いけど、薬が効いてきているみたいだった。
「眠い?」
「あ、や……ごめん。……かしいな。ちゃんと寝てるのに」
すでに呂律もあまりまわっていない。
「もう帰ろっか」
「うん……ごめん」
「大丈夫」
あたしは夜景スポットへと向かわせていた車をユーターンさせた。そして彼に、椅子を倒して寝るよう促した。
彼は素直に従い、座席を倒して本格的に寝る体勢に入る。