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脳内妄想短編集
第3章 束縛愛
それも薬の効果だろう。あとは理恵を待つのみ。あたし一人の力では、彼を廃墟の中まで運ぶことはできない。
縛った彼の隣で、あたしはタバコをふかして待った。
理恵とこの計画を立て始めた頃のことを思い出す。
――杏子ちゃん、内緒ね。あたしレイプものが一番興奮するの。
小さな秘密を洩らすように、彼女は言った。
――それも、あたしがされるんじゃなくてする方。男の人の嫌がる顔とか抵抗する姿に、すごく興奮するみたい。
自分と、似ていると思った。あたしは彼女に興味が湧いた。あたしは彼女に共感したふりをして、彼女の性癖をいろいろと探った。インモラルな性癖は、なかなか他人に打ち明けられないもの。あたしも同じ嗜好を持っていると判断してから、理恵は堰を切ったように語り始めた。
パソコンに集めた逆レイプものの画像や動画。興奮するシチュエーション。彼氏に頼んで一度やった逆レイプごっこや、その彼氏にすら打ち明けられなかった性癖の数々。あたしに全て打ち明けてくれた。
メールもチャットも別のツールも、彼女の秘密でいっぱいになった。