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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ

 意味がわかりませんでした。私と同じ? 一体何が?
 私は酷く動揺していました。リビングのもバレていました。盗撮は悪いことです。もし彼に通報されたら……あるいは職場の上司にバラされでもしたら。私はの思考は、ぐるぐるとまわります。言い訳を探すことも浮かびましたが、先ほどの会話をした後では、遅いでしょう。
 しかし彼は、見る限り怒っている様子も、なかったのです。それどころか、普段と何一つ変わらない様子でした。
 彼は無言で腕をまくり、ジャージのズボンの裾もまくりました。浴室に入り、私に後ろを向くように促しました。どうやら背中を流してくれるようです。
 昨日はあれほど嫌がっていたくせに。私は内心警戒していましたが、動揺しているのがバレてしまっては、負けだと思いました。気丈にしていなければ。
 彼はボディソープをタオルにつけ、私の体を洗います。首、肩、背。乱暴でも、いやらしい手つきでもありません。丁寧に洗ってくれていました。
 私の考えすぎなのでしょうか。彼は本当に、何も企んではいないのでしょうか。盗撮されていると気付いても、何も思わなかったのでしょうか?
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