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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ
「もう……いいから」
このままではまずいと思い、私は彼からタオルを取り返そうとしました。しかし彼は、私の体を洗う手を止めてはくれましたが、タオルを渡してはくれません。
私は大きく、深呼吸しました。体中が疼いて仕方ありません。彼がここにいなければ、確実に触ってしまっていたでしょう。
そこまで考えて、はっとしました。よからぬ可能性に、気付いてしまったからです。この状況は、似てはいないでしょうか。あの催淫剤を彼に使い、無理やり欲求不満にさせた時の状況と。
私は泡だらけのタオルに目をやりました。それから彼の顔に目を向けると、彼はうっすら笑みを浮かべました。
「やっと気付いたんですか? 友梨香さんて、結構鈍感ですよね」
その言葉で、私は確信しました。
「薬、入れたの? さっきのお茶に? そんなことにも気付いてたの?」
いろいろな疑問が、一斉に鎌首をもたげ始めます。いつから気付いていたのかとか、隠してはずの薬をどうやって見つけたのかとか。
「何、今さらびびってんですか? 使ったことなかったんですか? 自分で試したことのないやつを俺に使うなんて、酷い」