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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ

 ひたすら喘がされたため、正直喉はカラカラでした。しかし媚薬の混入を、つい疑ってしまいます。それを彼も察したのか、私の前で一口飲んでみせました。

「ただの水道水ですから、心配しなくて平気ですよ。なんも入ってません」

 受け取ろうとして起き上がると、私は裸のままでした。私は毛布で体を隠しながら水を飲みました。もう深夜三時をまわっていました。
 私はどうして監視カメラのことや、媚薬のことを言わなかったのか聞きました。私に対して、怒りや嫌悪や恨みがないのかとも。私は彼に酷いことをしました。先ほどの浴室でのあれは、その仕返しだと思っていたのです。
 けれどもやっぱり彼には怒っている様子も、私への仕返しが成功し、悦に浸っている様子もないのです。彼は首を横に振り、私からの問いを否定しました。

「別に怒ってないですって。しつこいなぁ。そりゃ、最初はいろいろ驚きましたけど。友梨香さんが変態だってことはよくわかりました」
「うっさい。あんただって変態でしょ?」
「いやいや、俺なんもしてないじゃん。友梨香さんが触って触ってうるさいから」
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